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第一話:1970年の記憶


50年。半世紀。1970年からもうそんなに経ったのか。大阪万博、よど号事件、ビートルズの解散、三島由紀夫の自殺。まあ確かにずいぶん前の話だ。思いつきだが、50年前の記憶を取り留めなく書くことで、この支離滅裂なブログをスタートしよう。

当時小学校低学年だった私は、穴倉から出てきたばかりの子狸のようなもので、世の中のことは何も分からなかった。だからあの時はあんな風だったと、“時代感”なるものを語れる術もない。ベトナム戦争のことも中東情勢のことも内ゲバのことも意味不明で、田淵のホームラン見たさに甲子園に行ったり、近所の空き地でメンコ遊びをしたりするごくありきたりな子供に過ぎなかったのだ。

景気が踊り場に来た時期で、世の中なんとなくポワ~ンとしていたなあという漠然とした感覚と、テレビドラマの挿入歌か何かで流れていたビートルズの「レットイットビー」のメロディーだけが頭の片隅に残っている。英語なんか皆目理解できない自分は、サビのところの歌詞を“LP、LP、”と聞き間違え、ああこりゃLPガスのコマーシャルソングかなんかだなと、思い込んでいた。でもビートルズはいいなあ、とても新鮮でワクワクするなあと子供心にもそう思った。

公害という言葉もよくニュースで耳にした。今は環境汚染という言い方が普通だが、いつ頃から公害と呼ばなくなったんだろう?公害問題は70年代に入って新聞やテレビが一斉に騒ぎ出したような印象がある。60年代の高度経済成長期は公害なんてどこにもなかった、それが一気に湧き出てきた、まさに「事件」だ、しかしその事件勃発のあまりの唐突さに子供の私も戸惑った。でもそうは感じつつ、判断力が欠如した当時の私は、周囲に日和って“公害まき散らすやつは悪い奴!”というあまりに単純な図式で公害を理解していたのだ。

そうそう、それとショッキングだったのはアポロ13号の月旅行失敗だ。前年のアポロ11号の月面着陸は、全世界の(少なくとも当時の「西側」の)人々の心を鷲掴みにし、宇宙旅行への夢を膨らませたが、13号の事故で冷や水をぶっかけられる形となった。よーし月まで行けた、今度は火星だ、50年たったら銀河系を飛び越えてアンドロメダ星雲かも!と思った矢先の出来事だった。

いやーそれにしても適当な散文だなあ。キリが無いのでここまで書いてきたことをサマってみる。


① 50年前の世の中ってなんとなくポワ~ン

② ビートルズの音楽はとても新鮮

③ 成長が止まると環境汚染問題が起こる

④ 宇宙旅行の時代はなかなか来ない


あれ?何だこれ?今と何が違う?ビリーアイリッシュだってビートルズを崇拝しているし、環境汚染は世界的に慢性化している。人類はいまだに火星にすら行けてない。50年で一体何が進歩したんだろう?スマホ?インターネット?翻訳機械?そういう便利なデバイスは確かに進歩したけど、もっと根源的なところで大きな時代の進歩というものはあったのか?複雑な思いに駆られつつ、次回へと進む。次回は1980年の記憶を辿ろうと思う。

ちなみにこのブログ、お茶とは全く関係ない話ですね。申し訳ございません。

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