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コロナで分かったこと



2020年5月13日

Covid-19、コロナの禍はいまだ続いている。日本では感染ピークは過ぎたとされ、緊急事態宣言も早晩解除の方向だが、まだまだ予断は許さない。それは前回のブログでも書いた通りである。

この“有事”が勃発して2ヵ月余り、その間に世界は急激に変わった。ほんの少し前には考えもつかなかった事態が次々に起こった。しかし筆者はそれをある程度予測したのである。手前味噌だが、丁度2ヵ月前に書いたブログを読み返すと、今起こっている状況をほぼ言い当てているのが分かる。

「オリンピック・パラリンピックの開催はまず間違いなく1年乃至は2年延期の措置が取られる」

その頃は、日本政府もIOCも何がなんでも予定通り開催と息巻いていた。

「欧州の感染のピークが過ぎるころ、米国の感染がいよいよ本格化し欧州以上に目を覆うような状況になる」

当時の米国の感染者は2000人足らずで、イタリアの10分の1にも満たなかった。それが今や130万人に上り、イタリアのなんと6倍以上である。全く様変わりだ。

しかし感染者数というものはPCR検査の件数、ひいては各国の医療事情や政治判断に左右されることが分かってきた。だから、この数字ばかり追っかけてもあまり意味がない。特に世界規模の被害の実態や国間比較にはほとんど役に立たない。

とどのつまり、Covid-19のせいでどのくらいの人が死亡したかを見るのが、最も意味がある。以下は、WHOの5月12日時点の各国の死亡者数レポートである。(カッコ内は人口百万人当たりの死亡者数)

米国 78652(239)

イタリア 30739(508)

スペイン 26744(572)

フランス 26600(408)

イギリス 32065(475)

中国 4644(3)

韓国 258(5)

日本 643(5)

絶対数もさることながら、人口百万人当たりの死亡者数の差が、欧米と日本を含むアジアでは歴然とした差がある。ざっと100倍くらい違う。

結局これは、種の違いによるそもそもの体質に起因する差なのか、生活習慣や行動様式の違いなのか、もっと別の要因によるものなのか、いまだに世界中で議論沸騰中である。

筆者はその主たる要因はやはり生活習慣や行動様式の差ではないかと感じる。

欧米人は親しい人とあえばハグをする、チークキスをする、初対面でも握手をする。これは本能的な儀礼である。ニューヨークのカフェ、イギリスのパブ、ローマのタベルナ、パリのビストロ、みんな至近距離で向い合せに座り、顔を突き合わせて飛沫をかけ合いながら飲み食いする。それが生きがいなのだ。おしぼりは出てこない。皆手を洗わずに平気で食べる。そういう習慣なのだ。パリのレストラン等は、とてもテーブルが小さく、対面の人同士の距離は50センチあるかないかだ。そして締めはコーヒーか紅茶で、緑茶は飲まない。ご存知の通り、緑茶は免疫力に富むカテキンを多く配合するが、コーヒーや紅茶にはカテキン量は少ない。緑茶は苦くて彼らの舌にはなじまないのだ。

一方アジアの人は親しくてもお互いの体を接するような挨拶はしない。離れた位置でお辞儀をしたりするのが普通だ。日本人も居酒屋では至近距離でしゃべり合うが、つばを飛ばし合うほどではない。おしぼりは必ず出てくる。押し並べて寡黙であり、飯の時もあまりしゃべらない。食事の締めはたいていカテキン豊富な緑茶だ。

これらの習慣の差は大きいと思う。

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